Hamilton@Disney+(Act2)


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さてさて2幕

私は薄ぼんやり知っていたので「あーオッケー」くらいの感じだったんですけど2幕で半分くらいのメインキャストの方が役チェンジになるので初見かつイマイチ誰が誰だか覚えられなかった私みたいな人は大混乱すること請負です。

あ、あとすみませんAnthony Ramos9歳児設定(9歳だっけ?)は流石にギャグじゃないですか?

Anthony好きだけど無理があったよ!

2幕はひたすらハミルトンがクズい。

まずアンジェリカとの関係がイヤらしい。

はっきり不倫になるような言葉は使わないけどなんとなくお互い楽しんでる、みたいなところがほんとイライラする!

ここでアンジェリカの株爆下がり。

あと地味ポイントですがSatisfiedでアンジェリカがイライザを指して“now that’s his bride”って“that”というのが毎度引っかかります。“she’s his bride”で良くない?と。「お前は人じゃねぇ」という遠回しな嫌がらせだったら心底ゾッとしますね。

あ、曲名わからないけどイライザと3人のトリオめちゃくちゃ良かった

Take a Breakかな多分

ラップだけかと思いきやこういうザ・ミュージカルみたいな構成の曲も入ってきてるあたりLMM上手いですね~

Say No To This

「ペギぃぃぃぃぃ???」ってなります多分。

いや、ペギーの女優さんがマリアレイノルズ演じてるだけだけど。

結局マリアは何がしたかったのかよくわからないですね。

レイノルズさん(名前忘れた)もハミルトン強請ってますがハミルトンとマリアがクズすぎてものすごくまともな人に見えます。

ミュージカル史上初じゃないですかね。

主人公強請る男が善人に見えるミュージカル。

やらかしたのはハミルトンですからね。

Elizaの「一緒にバケーション行きましょうよ」ってお誘いは断ったくせになんなんでしょうね。

あとHelplessのメロディとこの曲ちょっと似てるよね。

ここら辺でアーロンバーさんサイドにお客さんのほぼ全員が立つんじゃないですかね。少なくとも私は圧倒的バー派です。

ちょっと「アマデウス」っぽいよね~。

ハミルトンがモーツァルト、バーはサリエリ。

やっぱり凡人の私はどうしてもバー側に着いてしまう。

ここまでイマイチハミルトンのどこがすごいのかあんまり伝わってきてないのもあるけど。

あ、前回書き忘れてたんですけど片想いの相手に(ただし旦那持ち)照れ照れと手紙を書いてるバーちょっと可愛かったですね。ギャップ萌えです。

2幕のバーの焦燥感は苦いですね~キます。

明確な目標も夢も野心もあるのに自分がその土俵に立てていないことがわかっている。息苦しいですね…

あ、あとどこか全然覚えてないんですけど何かの曲のボタンのClick Boom…!がかっこよすぎて巻き戻して3回見ました。マジで3回見ました。

Washington On Your Side、めちゃくちゃ頭に残ります。そしてなぜワシントンが辞職したのか私にはわからなかったのでビックリしました。英語力と歴史の勉強って大事だな、ということを学びました。

あ、ジョナサングロフもうちょっと出てきても良いと思った~!

と同時に「彼(というかあのキャラクター)が出てくる意味とは?」とも思った。

強烈なインパクトを残してる割にやってること薄いな、と。あ、ジョナサングロフは素晴らしいです。ハマり役です。でも役者の技量によっては「3回も出てくるふざけた奴」になる気が。

私がHamiltonの中で最も好きな楽曲は“Burn”なので浮気してからまぁまぁ時間が経っていたのでずっとヤキモキしていたのですがReynolds pamphlet来た瞬間テンション爆上がりしましたね。“Burnが!とうとうBurnが来る!”と。

浮き足立っていたので純粋にReynolds pamphletを楽しめなかった私ですがそれにしても演出がかっこよかったです。特にカンパニー総出で盛り上げて後ろからBurnのイントロがうっすらと姿を現して「可哀想な妻のEliza..」でスッと一瞬の静寂が広がってのBurn歌い出しが最高でした。

個人的にはもっとメラメラ手紙燃やして欲しいのですが安全とイライザの喉の治安のためかちょっと地味でしたね。

ビッグナンバーではあるのだけれどでも静かで、でも彼女の中で怒りが燃えてるのがElizaらしくて好き。それからただ闇雲に怒るんじゃなくてどこを突いたら1番ハミルトンにとって痛いのかをわかっててそこを確実に刺してくるのも彼女の聡明さが透けて見えて好き。That Would Be Enoughでは「私をあなたの物語の一部にして」って言ってるのにこの曲では「貴方の物語から私を消そう」って言ってるのも好き。「私があなたのものだった頃」じゃなくて「あなたが私のものだった頃」って選択権を握っているのも好き。

上手く言葉にはできないけど「彼女を傷つけても許してもらえるだろう」って多分どこかでElizaを舐めていた、彼女が自分に夢中になっていることを利用していたハミルトンにキッパリNOを突きつけるイライザの強さが魅力です。良いです。

この曲の前身、通称First Burnも良いのでぜひ聴いてください。こっちの方が怒りが激しくて突き放し方も激しくてこれはこれでかっこよくて好きです。

それでですね~ずっとフィリップが死んだ理由って「Alexanderと共に戦って彼を守るため身を挺して死んだ」だと勝手に思っていて(「僕?僕は彼のために死んだんだ」って言ってるから)蓋を開けてみたら割としょうもない理由(すみません)で亡くなってて全然納得いかないんだけど。(どうにもならんが)いや、父親の名誉は大事だし親を貶されて怒るのはわかる。でも本当に親を大事に思ってるならイライザの側にいてあげるべきだったしそもそも不倫した父親をあそこまで庇う理由が私にはわからなかった。なんか「若気の至りだなぁ」っていうのが率直な感想。

だがしかし

私の「わっかんねぇなぁ」を相殺してもプラスに飛ぶ演出のにくさと役者の技量!!!!

まずフィリップのAnthony Ramos激ウマ。

泣かせにきてます。父親に認められたい気持ちと幼さと母親への愛情と罪悪感。死にそうながらも全てを見せてくれました。

それからフィリッパのイライザも夫が不倫した時ですら冷静さを残していた彼女が取り乱して泣き叫んで必死に子供に縋りつく様子がもう苦しくて苦しくて。そこに追い討ちをかけるようにフィリップが幼いときにイライザにピアノを教わっていた時に2人で歌っていた曲(数え歌的な)をもう一回2人で歌うもんだから幸せだった頃と全てが消えかけている今の対比が残酷で泣かされました。良い死に様です…

ハミルトンが今更イライザに寄りかかろうとするのは全然許せないし調子良すぎだしイライザもそこで謝罪を受け入れてしまうのが私的には「傷ついた側が傷つけた側の痛みを想ってあげなきゃいけないのは間違ってる」と憤りを感じたのですがイライザは大人でした。あ、でもここで許しちゃうとハミルトン絶対またなんかやらかす。「許してくれる」って思ってその優しさに漬け込む。

憤っているうちに気がついたらバーとジェファーソンが大統領に立候補してました。動揺が隠せません。なんかよくわからないハミルトンの匙加減でバーがジェファーソンに負けてました。ちょっと頭が固くて華やかなものはなかったかもしれないけど真面目に生きてきた人間が報われないっていうのは居た堪れませんね。

だがしかしバーの闇落ちの早いこと早いこと。ここでもうちょっと葛藤とか沸々と込み上げてくる怒りとかをたっぷり時間をかけて表現してくれたらみんな多分バーの苦い思いの元一致団結したと思うのですが「1, 2, 3, バンジー!」みたいな勢いでハミルトンに喧嘩ふっかけてました。今までのジリジリした攻防戦はなんだったんだ。

あまりにあっさりメインキャラクターの気持ちの大きい変化が完了してしまったのはちょっと残念だったかな。

ここから先は演出が本当に最高なので詳しい感想は控えますが一言でまとめると「ハミルトンクズすぎてイライザが可哀想」です。あとやっぱりアンサンブルの使い方がゾワゾワします。(良いゾワゾワです。)

いや~長々と語ってしまった。

全体をまとめると

ストーリーを通してのキャラクターの成長が見られず物足りないところがあるが演出と役者の技量でカバーされている。主人公の性格に疑問が残る上、深掘りされているシーンとあっさり進むシーンの差が大きくてイマイチキャラクターに共感しにくい。曲と演出が最高に良い。英語が難しいので予習必須。

って感じでした。

個人的には「ストーリーを楽しむぞ!」というよりはキャッツみたいな感じで「演出と音楽、役者さんのパフォーマンスを楽しむ」作品と割り切った方が楽しんで見れました。

そしてガッツリネタバレになるのですが語りたいことがあるので見たくない方はここで離脱をお勧めします!

ほんと最後の最後の物語の締め「うわぁ、これはうまい!!!」と鳥肌が立ちました(お前は誰だ、と)

あのイライザが客席を見上げて息を呑むシーンですね。

私は1番最初に見た時はハミルトンがイライザを迎えに来て2人で天国に旅立つ、イライザが見上げたものは天国であの息を呑んだ瞬間はイライザの最後の呼吸だった、という解釈をしました。

色々見てみると「あのシーンはハミルトンではなく役者本人として存在していて(D+版だとLMMが)イライザにお客さんを見せてあげて“貴女が伝えようとしてきたアレクサンダーハミルトンの物語はこうして今沢山の人に届いていますよ”と彼女を労う、彼女は満席の客席、ひいてはそれだけ多くの人に夫のlegacyが届いていだことを知って息を呑む」という解釈もあって「おぉ、なるほど」と。

私は正解も、正解があるのかも知らないのですが最後がお客さんに委ねられているところがとても演劇的で好きでした。

以上、ハミルトンの感想でした⭐️

もうちょっと英語がわかるようになったら絶対見に行くからな!

Just you wait!!!!

お読みいただきありがとうございました☺