ここ2年くらいブームが来ているTom Kittさん作曲のミュージカル”Next to Normal”。
16年近く前に亡くなった息子ゲイブの幻影に囚われ続けている双極性障害を患っているダイアナ、そのダイアナを支えようとする夫ダン、母親の心にはゲイブしかおらず自分のことが見えていないことに苦しむ娘ナタリー。そんな一見「普通」の家族がダイアナの病気と向き合い、己と向き合っていく、精神病とそれが周りの人に与える影響を描いたという点においてかなりミュージカルとしては画期的だった作品です。脚本はピューリツァー賞も受賞しています。
演出は私の大好きなDear Evan Hansenの演出家でもあるMichael Greif氏。Greif演出×精神病の組み合わせのミュージカルなんてもろ私の好みなわけです!
ちなみに余談ですがDEHの楽曲を手がけたパセク&ポールのお二人は新人時代にNTNのブロードウェイプロダクションでアプレンティスとして働いており、「NTNがDEHの親かな」と後に述べるほど影響を受けたそうです。
さて、前置きが長くなりましたが本日はそんなNext to Normalの中でも私が1番お気に入りと言っても過言ではない、”Hey”という曲の日本語訳を。
グッドマン家の長女ナタリーとその彼氏ヘンリーによって歌われる曲で#1,#2, #3と歌詞とメロディ変えて2幕に3度登場します。
今回は2幕のかなり冒頭で歌われる”Hey#1″となります。
Henry:
Hey.
ヘンリー:
ねぇ
Natalie:
Hey.
ナタリー:
あぁ
Henry:
I’ve missed you these days.
I thought you might call
It’s been weeks.
ヘンリー:
もうここ何週間もずっと見なかったから心配してたんだよ
電話してくれると思ってたのに
Natalie:
I’ve been crazed.
ナタリー:ゴタゴタしてたの
Henry:
Hey…
Hey…
Have you been on the scene?
‘Cause you look like a mess.
ヘンリー:ねぇ、何があったの?
酷い顔してるけど
Natalie:
Thanks, I guess.
ナタリー:ご親切にどうも
Henry:
Are you clean?
ヘンリー:今シラフじゃないだろ?
Natalie:
Well, coming from you…
ナタリー:どの口で言ってるの
Henry:
I don’t do what you do.
ヘンリー:そんな無茶はしないよ
Natalie:
Okay, how did it start?
ナタリー:誰が薬なんて勧めてきたと思ってるの?
Henry:
But you took it too far.
ヘンリー:でも君のそれはやりすぎだよ
※ヘンリーはマリファナ常用者でナタリーがマリファナに手を出すきっかけではあるもののその後ナタリーは母Dianeが精神科で処方された抗うつ剤等かなり強い薬を同時にいくつも服用することでハイになり、現実を忘れようとします。
Natalie:
Oh, I took it too far?
Henry, don’t,
Don’t do this to me.
ナタリー:やりすぎ?
ヘンリー、やめて
もうたくさん
Henry:
Hey, Hey
Are we over?
Don’t say that we’re over.
ヘンリー:ねぇ、おい
俺達これで終わりじゃないだろ?
別れるなんて言わないでくれよ
Natalie:
Don’t you want us to be?
ナタリー:どうせ別れたいんでしょ
Henry:
No, I want who I knew…
She’s somewhere in you.
ヘンリー:違う、僕はただ僕の知ってる君に戻ってきて欲しいだけ
彼女はまだ君の中にいるはず
Hey…
Say,
Will you come to this dance?
It’s some spring formal dance. No
It’s March first,
And it’s cheese,
But it’s fun and it’s free-
そうだ、ねぇ
春のダンスパーティーに行こうよ
3月1日にあるんだ
くだらないかもしれないけどきっと楽しいよ
無料だしさ
Natalie:
I don’t do dances.
ナタリー:私、踊ったりしないから
Henry:
Do this dance with me.
ヘンリー:僕と一緒でも?
Natalie:
Goodbye, Henry.
ナタリー:さよなら、ヘンリー
この曲は歌詞はもちろんのこと、インストの旋律もとても美しいのでぜひオリジナルプロダクションのサウンドトラックを聴いてみてください🎼(私は高確率で泣きます笑)